しゅうふうき
秋風記

冒頭文

立ちつくし、 ものを思へば、 ものみなの物語めき、  (生田長江) あの、私は、どんな小説を書いたらいいのだろう。私は、物語の洪水の中に住んでいる。役者になれば、よかった。私は、私の寝顔をさえスケッチできる。 私が死んでも、私の死顔を、きれいにお化粧してくれる、かなしいひとだって在るのだ。Kが、それをしてくれるであろう。 Kは、私より二つ年上なのだから、ことし三十

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 太宰治全集2
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1988(昭和63)年9月27日