しょうしょけいぎ |
尚書稽疑 |
冒頭文
所謂先秦の古書は其の最初編成されてより以後、或は増竄を生じ、或は錯脱を生じ、今日現存せる篇帙が最初のものと異つて來てゐることは、何れの書にも通有の事實であつて、幾んど原形のまゝの者はないと謂ふも過言ではあるまいと思ふ。但だ其中で兩漢六朝以後に竄亂されたものは明かに之を僞書として鑑別することになつてゐるが、其以前に竄亂されたものは大抵之を看遁す傾になつてゐる。今早くより竄亂附加あることの明かなる例を
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「支那學」1921(大正10)年3月発行、第一巻第七号
底本
- 内藤湖南全集 第七巻
- 筑摩書房
- 1970(昭和45)年2月25日