そぼ |
祖母 |
冒頭文
() 一 青めがね 一雄(かずお)は小学校へ行くようになって、やっと一月立つか立たないうちに、ふと眼病をわずらって、学校を休まなければならなくなりました。 それから毎日、一雄はお医者さまからくれた青い眼がねをかけて、おばあさんと二人——まだ電車のない時分でしたから——合乗(あいのり)の人力(じんりき)で、眼科の病院へ通いました。 「食べものに気をつけて上げて下さい。こ
文字遣い
新字新仮名
初出
「赤い鳥」1921(大正10)年3月号
底本
- 坪田譲治編 赤い鳥傑作集
- 新潮文庫、新潮社
- 1955(昭和30)年6月25日、1974(昭和49)年9月10日29刷改版