れいごんほうしかしゅう
礼厳法師歌集

冒頭文

禮嚴法師歌集の初にしるしおく文。 一、今年八月十七日は父の十三囘忌辰なれば、かねて兄達に謀りて、父の歌集一巻を刷物とし、紀念のため、有縁の人人に供養せんは如何にと言へば、皆よしと言ひつ。さてその歌は寛に編めよと兄達の命じければ、父が若き頃より壮年に到る草稿を京都なる兄大圓より、晩年の詠草を周防なる兄照幢より乞ひうけて、読みもてゆくに、歌の数は長き短き打まじへて三万首に近からし。こは偶ま残

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 明治文学全集64 明治歌人集
  • 筑摩書房
  • 1968(昭和43)年9月25日