パリイより
巴里より

冒頭文

「巴里(パリイ)より」の初めに 予等は日夜欧羅巴(ヨウロツパ)に憬(あこが)れて居る。殊(こと)に巴里(パリイ)が忘れられない。滞留期が短くて、すべて表面計(ばか)りを一瞥(いつべつ)して来たに過ぎない予等ですら斯(か)うであるから、久しく欧洲の内景(ないけい)に親(したし)んだ人人は幾倍か此(この)感が深いことであらう。 近日、友人徳永柳洲(りうしう)君は画(ゑ)を、予等夫妻は詩

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 巴里より
  • 金尾文淵堂
  • 1914(大正3)年5月3日