せいざ
星座

冒頭文

その日も、明けがたまでは雨になるらしく見えた空が、爽(さわ)やかな秋の朝の光となっていた。 咳の出ない時は仰向けに寝ているのがよかった。そうしたままで清逸(せいいち)は首だけを腰高窓の方に少しふり向けてみた。夜のひきあけに、いつものとおり咳がたてこんで出たので、眠られぬままに厠(かわや)に立った。その帰りに空模様を見ようとして、一枚繰(く)った戸がそのままになっているので、三尺ほどの幅だ

文字遣い

新字新仮名

初出

1922(大正11)年5月

底本

  • 日本文学全集25 有島武郎集
  • 集英社
  • 1968(昭和43)年4月12日