みずのせんこしのさくひんについて |
水野仙子氏の作品について |
冒頭文
仙子氏とはとう〳〵相見る機會が來ない中に永い別れとなつた。手紙のやりとりが始つたのも、さう久しい前からのことではない。またその作品にも——創作を始めて以來、殊に讀書に懶くなつた私は——殆んど接したことがないといつていゝ位で過して來た。そのうちに仙子氏は死んでしまつた。その死後私は遺作の數々を讀まして貰つて、生前會つておくべき人に會はずにしまつたといふ憾みを覺えることが深い。 仙子氏は、作
文字遣い
旧字旧仮名
初出
底本
- 叢書「青踏」の女たち 第10巻 水野仙子集
- 不二出版
- 1986(昭和61)年4月25日