こさくにんへのこくべつ |
小作人への告別 |
冒頭文
八月十七日私は自分の農場の小作人に集会所に集まってもらい、左の告別の言葉を述べた。これはいわば私の私事ではあるけれども、その当時の新聞紙が、それについて多少の報道を公けにしたのであるが、また聞きのことでもあるから全く誤謬(ごびゅう)がないとはいえない。こうなる以上は、私の所言を発表して、読者にお知らせしておくのが便利と考えられる。 農繁の時節にわざわざ集まってくださってありがたく思い
文字遣い
新字新仮名
初出
「泉」1922(大正11)年10月
底本
- 惜しみなく愛は奪う
- 角川文庫、角川書店
- 1969(昭和44)年1月30日改版初版