妾(わたし)は今、神戸海岸通りのレストラン・エイシャの隅ッこに、ちょこりんと腰をかけている。油気のない前髪をういういしく垂らして、紫ミラネーゼの派手な振袖を着て、金ピカの塩瀬(しおぜ)を色気よく高々と背負(しょ)っているのだから、ウッカリした男の眼には十四五ぐらいにしか、うつらないでしょうよ。どうぞ、そのおつもりでネ……ホホホホホ……。 妾の手にはタッタ今ボーイさんが買って来てくれた号外