ドグラ・マグラ
ドグラ・マグラ

冒頭文

巻頭歌 胎児よ 胎児よ 何故躍る 母親の心がわかって おそろしいのか …………ブウウ——————ンンン——————ンンンン………………。 私がウスウスと眼を覚ました時、こうした蜜蜂(みつばち)の唸(うな)るような音は、まだ、その弾力の深い余韻を、私の耳の穴の中にハッキリと引き残していた。 それをジッと聞いているうちに……今は真夜中だな……と直

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 夢野久作全集9
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1992(平成4)年4月22日