クねずみ
クねずみ

冒頭文

クという名前のねずみがありました。たいへん高慢でそれにそねみ深くって、自分をねずみの仲間の一番の学者と思っていました。ほかのねずみが何か生意気なことを言うとエヘンエヘンと言うのが癖でした。 クねずみのうちへ、ある日、友だちのタねずみがやって来ました。 さてタねずみはクねずみに言いました。 「今日(こんにち)は、クさん。いいお天気です。」 「いいお天気です。何かいいものを

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 童話集 銀河鉄道の夜 他十四篇
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1951(昭和26)年10月25日、1966(昭和41)年7月16日第18刷改版