かいのひ
貝の火

冒頭文

今は兎(うさぎ)たちは、みんなみじかい茶色の着物(きもの)です。 野原(のはら)の草はきらきら光り、あちこちの樺(かば)の木は白い花をつけました。 実(じつ)に野原(のはら)はいいにおいでいっぱいです。 子兎(こうさぎ)のホモイは、悦(よろこ)んでぴんぴん踊(おど)りながら申(もう)しました。 「ふん、いいにおいだなあ。うまいぞ、うまいぞ、鈴蘭(すずらん)な

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 銀河鉄道の夜
  • 角川文庫、角川書店
  • 1969(昭和44)年7月20日