しこんぞめについて
紫紺染について

冒頭文

盛岡(もりおか)の産物(さんぶつ)のなかに、紫紺染(しこんぞめ)というものがあります。 これは、紫紺という桔梗(ききょう)によく似(に)た草の根(ね)を、灰(はい)で煮出(にだ)して染(そ)めるのです。 南部(なんぶ)の紫紺染は、昔(むかし)は大へん名高いものだったそうですが、明治(めいじ)になってからは、西洋(せいよう)からやすいアニリン色素(しきそ)がどんどんはいって来まし

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • ポラーノの広場
  • 角川文庫、角川書店
  • 1996(平成8)年6月25日