ポラーノのひろば
ポラーノの広場

冒頭文

前十七等官 レオーノ・キュースト誌 宮沢賢治 訳述 そのころわたくしは、モリーオ市の博物局に勤めて居りました。 十八等官でしたから役所のなかでも、ずうっと下の方でしたし俸給(ほうきゅう)もほんのわずかでしたが、受持ちが標本の採集や整理で生れ付き好きなことでしたから、わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。殊にそのころ、モリーオ市では競馬場を植物園に拵(こしら)

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 銀河鉄道の夜・風の又三郎・ポラーノの広場 ほか3編
  • 講談社文庫、講談社
  • 1971(昭和46)年7月1日