| ひょうがねずみのけがわ  | 
| 氷河鼠の毛皮 | 
冒頭文
このおはなしは、ずゐぶん北の方の寒いところからきれぎれに風に吹きとばされて来たのです。氷がひとでや海月(くらげ)やさまざまのお菓子の形をしてゐる位寒い北の方から飛ばされてやつて来たのです。 十二月の二十六日の夜八時ベーリング行の列車に乗つてイーハトヴを発(た)つた人たちが、どんな眼(め)にあつたかきつとどなたも知りたいでせう。これはそのおはなしです。 × ぜんたい
文字遣い
 新字旧仮名 
 初出
 「岩手毎日新聞」1923(大正12)年4月15日 
 底本
- 新修宮沢賢治全集 第十三巻
- 筑摩書房
- 1980(昭和55)年3月15日