ちゅうもんのおおいりょうりてん
注文の多い料理店

冒頭文

二人の若い紳士が、すつかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴか〳〵する鉄砲をかついで、白熊(しろくま)のやうな犬を二疋(ひき)つれて、だいぶ山奥の、木の葉のかさ〳〵したとこを、こんなことを云(い)ひながら、あるいてをりました。 「ぜんたい、こゝらの山は怪(け)しからんね。鳥も獣も一疋も居やがらん。なんでも構はないから、早くタンタアーンと、やつて見たいもんだなあ。」 「鹿(しか)の黄いろな横つ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「イーハトヴ童話 注文の多い料理店」盛岡市杜陵出版部・東京光原社、1924(大正13)年12月1日

底本

  • 宮沢賢治全集8
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1986(昭和61)年1月28日