グスコーブドリのでんき |
| グスコーブドリの伝記 |
冒頭文
一 森 グスコーブドリは、イーハトーヴの大きな森のなかに生まれました。おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなく切ってしまう人でした。 ブドリにはネリという妹があって、二人は毎日森で遊びました。ごしっごしっとおとうさんの木を挽(ひ)く音が、やっと聞こえるくらいな遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけ
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 童話集 風の又三郎
- 岩波文庫、岩波書店
- 1951(昭和26)年4月25日