城あとのおおばこの実は結び、赤つめ草の花は枯(か)れて焦茶色(こげちゃいろ)になって、畑の粟(あわ)は刈(か)りとられ、畑のすみから一寸(ちょっと)顔を出した野鼠(のねずみ)はびっくりしたように又(また)急いで穴の中へひっこむ。 崖(がけ)やほりには、まばゆい銀のすすきの穂(ほ)が、いちめん風に波立っている。 その城あとのまん中の、小さな四(し)っ角(かく)山の上に、めくらぶど