ほうそうやわ 02 ほうそうやわ
法窓夜話 02 法窓夜話

冒頭文

序 父は話好きであります。私が子供の時には、父は御定まりの桃太郎から始めて大江山鬼退治の話などをしてくれたものです。私がだんだん成人するとともに、父の話も次第に子供離れがして来まして、私が法科大学生の時代には、自然法律談が多く出ることになりました。しかし父はむつかしい法理論や、込み入った権利義務の話はあまりしませんでした。私とても学校でさんざん聞かされた後ですから、面倒な話はなるべくは御

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 法窓夜話
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1980(昭和55)年1月16日