ぶんげいうんどうとろうどううんどう
文芸運動と労働運動

冒頭文

一 明治以來の文藝運動は流派と流派との爭いであつた。それは單に個々人の性質や、趣味や、學閥や、交友關係によつて集る群と群との爭いであつた。論爭點は主として描寫の樣式、文體、せいぜいのところで藝術價値の見方、人生觀の相違にとどまつた。 最近に起らんとしている階級藝術の運動は、少くもその本質に於ては階級鬪爭の一現象、階級鬪爭の局部戰、階級戰線の一部面に於ける鬪爭でなければならぬ。從つて

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 日本現代文學全集69 プロレタリア文學集
  • 講談社
  • 1969(昭和44)年1月19日