あきこかんしょう |
晶子鑑賞 |
冒頭文
「新墾筑波を過ぎて幾夜か寝つる」といふ形、即ち五七・七の片歌といふ短い唄がわが民族の間に発生し、それが二つ重つて五七・五七・七の今の短歌の形が出来たのは何時の頃であらうか。少くもそれは数千年の昔のことで、その後今日までこの形式をかりて思ひを抒べた人々は恐らく幾千万の多きに上ることであらう。その内本来無名の民衆を除いて所謂歌人だけを数へても今日分明してゐるもの数千名はあらう。それほど短歌の形式はわが
文字遣い
新字旧仮名
初出
底本
- 晶子鑑賞
- 三省堂
- 1949(昭和24)年7月25日、1979(昭和54)年1月25日復刊第1刷