「ばんねん」と「じょせいと」
「晩年」と「女生徒」

冒頭文

「晩年」も品切になったようだし「女生徒」も同様、売り切れたようである。「晩年」は初版が五百部くらいで、それからまた千部くらい刷った筈(はず)である。「女生徒」は初版が二千で、それが二箇年経って、やっと売切れて、ことしの初夏には更に千部、増刷される事になった。「晩年」は、昭和十一年の六月に出たのであるから、それから五箇年間に、千五百冊売れたわけである。一年に、三百冊ずつ売れた事になるようだが、すると

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 太宰治全集10
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1989(昭和64)年6月27日