ぬえ

冒頭文

一 ある時(とき)天子(てんし)さまがたいそう重(おも)い不思議(ふしぎ)な病(やまい)におかかりになりました。なんでも夜中(よなか)すぎになると、天子(てんし)さまのおやすみになる紫宸殿(ししいでん)のお屋根(やね)の上になんとも知(し)れない気味(きみ)の悪(わる)い声(こえ)で鳴(な)くものがあります。その声(こえ)をお聞(き)きになると、天子(てんし)さまはおひきつけになって、もうそ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本の英雄伝説
  • 講談社学術文庫、講談社
  • 1983(昭和58)年6月10日