一 むかし近江(おうみ)の国(くに)に田原藤太(たわらとうだ)という武士(ぶし)が住(す)んでいました。ある日藤太(とうだ)が瀬田(せた)の唐橋(からはし)を渡(わた)って行きますと、橋(はし)の上に長(なが)さ二十丈(じょう)もあろうと思(おも)われる大蛇(おろち)がとぐろをまいて、往来(おうらい)をふさいで寝(ね)ていました。二つの目玉(めだま)がみがき上(あ)げた鏡(かがみ)を並(なら)べた