ひだかとかちのきおく
日高十勝の記憶

冒頭文

オホナイの瀧 日高の海岸、樣似(しや(さ)まに)を進んで冬島を過ぎ、字山中のオホナイといふあたりに來ると、高い露骨な岩山が切迫してゐて、僅かに殘つた海岸よりほかに道がない。おほ岩を穿つたトンネルが多く、荷車、荷馬車などはとても通れない。人は僅かに岩と浪との間を行くのであつて、まごついてゐると、寄せ來る浪の爲めに乗馬の腹までも潮に濡れてしまふのだ。 或高い岩鼻をまはる時など、仰ぎ見る

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 現代紀行文学全集 北日本編
  • ほるぷ出版
  • 1976(昭和51)年8月1日