しゅくめい
宿命

冒頭文

散文詩について          序に代へて 散文詩とは何だらうか。西洋近代に於けるその文學の創見者は、普通にボードレエルだと言はれてゐるが、彼によれば、一定の韻律法則を無視し、自由の散文形式で書きながら、しかも全體に音樂的節奏が高く、且つ藝術美の香氣が高い文章を、散文詩と言ふことになるのである。そこでこの觀念からすると、今日我が國で普通に自由詩と呼んでる文學中での、特に秀れてやや上乘のも

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 萩原朔太郎全集 第2巻
  • 筑摩書房
  • 1976(昭和51)年6月25日