じゅんじょうしょうきょくしゅう
純情小曲集

冒頭文

北原白秋氏に捧ぐ  自序 やさしい純情にみちた過去の日を記念するために、このうすい葉つぱのやうな詩集を出すことにした。「愛憐詩篇」の中の詩は、すべて私の少年時代の作であつて、始めて詩といふものをかいたころのなつかしい思ひ出である。この頃の詩風はふしぎに典雅であつて、何となくあやめ香水の匂ひがする。いまの詩壇からみればよほど古風のものであらうが、その頃としては相當に珍らしいす

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 萩原朔太郎全集 第二卷
  • 筑摩書房
  • 1976(昭和51)年3月25日