ちょうをゆめむ
蝶を夢む

冒頭文

詩集の始に この詩集には、詩六十篇を納めてある。内十六篇を除いて、他はすべて既刊詩集にないところの、單行本として始めての新版である。 この詩集は「前篇」と「後篇」の二部に別かれる。前篇は第二詩集「青猫」の選にもれた詩をあつめたもの、後篇は第一詩集「月に吠える」の拾遺と見るべきである。即ち前篇は比較的新しく後篇は最も舊作に屬する。 要するにこの詩集は私の拾遺詩集である。しか

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 萩原朔太郎全集 第一卷
  • 筑摩書房
  • 1975(昭和50)年5月25日