ぶんげいさくひんのえいがか
文芸作品の映画化

冒頭文

最近、偶然に文藝作品の映畫化されたものをつゞけて三つ見た。ワイルドの「ウヰンダアミア夫人の扇」、ウエデキントの「春の眼覺め」、ロチの「氷島の漁夫」がそれだ。その中で「ウヰンダアミア夫人の扇」は原作とどうかうと云ふことは別問題として、流石にルビツチの監督したものだけあつて、映畫としても可成り面白く見た。然し、「春の眼覺め」は原作に非常に忠實であらうとする努力は見られたが、結局原作のパラフレエズになつ

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 映畫時代五月號
  • 文藝春秋社
  • 1927(昭和2)年5月1日