おおさかのちょうにんがくしゃとみながなかもと
大阪の町人学者富永仲基

冒頭文

大阪毎日新聞が、一萬五千號のお祝で講演會を催されるといふことで、私にも出るやうにとのお話で出て參りました。但しこの講演會は、時に毎日新聞の一萬五千號のお祝のやうにも聞え、大大阪のお祝のやうにも聞え、時としては大大阪文化史の講演といふ風に見えたこともあります。それについて一寸お斷りして置きますが、私は大都市主義に反對です。それで一萬五千號のお祝に出て參りましたので、大大阪讚美のために出て參つたのでは

文字遣い

旧字旧仮名

初出

大阪毎日新聞社主催講演会講演、1925(大正14)年4月5日、「大阪文化史」に講演録所収、1925(大正14)年8月発行

底本

  • 内藤湖南全集 第九巻
  • 筑摩書房
  • 1969(昭和44)年4月10日