だいぼさつとうげ 01 こうげんいっとうりゅうのまき
大菩薩峠 01 甲源一刀流の巻

冒頭文

[#ページの天地左右中央に] この小説「大菩薩峠」全篇の主意とする処は、人間界の諸相を曲尽(きょくじん)して、大乗遊戯(だいじょうゆげ)の境に参入するカルマ曼陀羅(まんだら)の面影を大凡下(だいぼんげ)の筆にうつし見んとするにあり。この着想前古に無きものなれば、その画面絶後の輪郭を要すること是非無かるべきなり。読者、一染(いっせん)の好憎に執し給うこと勿れ。至嘱(ししょく)。 著者謹言

文字遣い

新字新仮名

初出

「都新聞」1913(大正2)年9月12日~12月18日

底本

  • 大菩薩峠1
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1994(平成6)年12月4日