けいせいかいとらのまき
傾城買虎之巻

冒頭文

一   池水に夜な夜な影は映れども     水も濁らず月も汚れず はなはだ面白い歌である。しかし、——   池水に夜な夜な映る月影の     水は濁れど影の汚れぬ としたら——私は松葉屋瀬川を、近世名妓伝の第一に持って行ってもいいと思う。 この作は、浅草再法庵(さいほうあん)に、行(おこな)い澄ましていた、元吉原松葉屋の抱え瀬川の作であって、庵(いおり)の壁に書い

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 仇討二十一話
  • 大衆文学館、講談社
  • 1995(平成7)年3月17日