しそうとふうぞく
思想と風俗

冒頭文

序 思想というものは、その持ち主の身につけば、その持主の好みのようなものにまでもなるものだ。意識とも良心ともモラルとも云っていいものになる。そして同じ時代の同じ社会に活きている沢山の人間達の間に、共通する好みの類が、風俗をなすのである。 ファッションやモードと云っても、それはただの伊達ごとではなくて、それとなく、時代やジェネレーションや又社会階級の、世界観を象徴しているものなの

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 戸坂潤全集 第四巻
  • 勁草書房
  • 1966(昭和41)年7月20日