デカルトといんようせいしん
デカルトと引用精神

冒頭文

古くダンテがイタリア語の父であるとされ、又降ってルターがドイツ語の完成者と云われるように、ルネ・デカルトはフランス語の恩人とされている。ダンテの『神曲』、ルターの『新約聖書』の翻訳に、その意味で比較すべきものは、『方法叙説』と呼ばれているあの Discours de la Méthode である(之は屈折光学と気象学と幾何学との後から書かれたものでこれ等の序説の意味をも有っている)。これはデカルト

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻 哲学
  • 作品社
  • 1998(平成10)年10月25日