はいかいさだん
俳諧瑣談

冒頭文

一 ドイツの若い物理学者のLというのがせんだって日本へ遊びに来ていた。数年前にも一度来たことがあるのでだいぶ日本通になっている。浮世絵などもぽつぽつ買い込んで行ったようである。このドイツ人がある日俳句を作ったと言って友だちの日本人に自慢をした。それは 鎌倉に鶴がたくさんおりました というのである。なるほどちゃんと五、七、五の音数律には適合している。いわれを聞いてみると、「

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻25 俳句
  • 作品社
  • 1993(平成5)年3月25日