りゅうかいせき
劉海石

冒頭文

劉海石(りゅうかいせき)は蒲台(ほだい)の人であった。十四歳の時にその地方に戦乱が起ったので、両親に従(つ)いて浜州(ひんしゅう)に逃げて往って、其処に住んでいたが、その浜州に劉滄客(りゅうそうかく)という者があって、同じ教師について学問をした関係から仲が好くなって、とうとう義兄弟の約束をした。 間もなく海石の両親が亡くなり、海石はその遺骨を奉じて蒲台の故郷へ帰ったので、二人の間の音問(

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 中国の怪談(二)
  • 河出文庫、河出書房新社
  • 1987(昭和62)年8月4日