福建の曾孝廉(そうこうれん)が、第一等の成績で礼部の試験に及第した時、やはりその試験に及第して新たに官吏になった二三の者と郊外に遊びに往ったが、毘廬禅院(びろぜんいん)に一人の星者(うらないしゃ)が泊っているということを聞いたので、いっしょに往ってその室(へや)へ入った。星者は曾の気位の高いのを見ておべっかをつかった。曾は扇を揺(うご)かしながら微笑して聞いた。 「宰相になる運命があるのかな