せいあじん
青蛙神

冒頭文

揚子江と灌水(かんすい)の間の土地では、蛙の神を祭ってひどく崇(あが)めるので、祠(ほこら)の中にはたくさんの蛙がいて、大きいのは籠ほどあるものさえある。もし人が神の怒りにふれるようなことがあると、その家はきっと不思議なことがあって蛙がたくさんきて几(つくえ)や榻(ねだい)であそんだり、ひどいのになると滑(なめら)かな壁を這いあがったが堕(お)ちなかった。そのさまは一様でなかったが、その家に悪いし

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 中国の怪談(二)
  • 河出文庫、河出書房新社
  • 1987(昭和62)年8月4日