こし
胡氏

冒頭文

直隷(ちょくれい)に富豪があって家庭教師を傭おうとしていると、一人の秀才が来て、自分を傭うてくれと言った。主人は内へ入れて話してみると、言語がさわやかであったから、好い人があったと思って悦(よろこ)んだ。秀才は自分で胡(こ)という姓であると言った。 そこで富豪は幣(かね)を出して胡を自分の家へ置いた。胡は児(こども)を教育するにあたって心切(しんせつ)で勤勉であった。それに学問が博くてし

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 中国の怪談(二)
  • 河出文庫、河出書房新社
  • 1987(昭和62)年8月4日