そせい
蘇生

冒頭文

秦郵という処に王鼎(おうてい)という若い男があったが、至って慷慨家で家を外に四方に客遊(かくゆう)していた。その王鼎は十八の年に一度細君(さいくん)を迎えたことがあったが、間もなく病気で亡くなった。弟思いの兄の鼎が心配して、ほかから後妻を迎えようとしたが、本人が旅ばかりして家にいないので、話が纏まらない。兄は困って暫く家にいてくれと言って忠告したが、王鼎は耳に入れずにまた船に乗って鎮江の方へ往った

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 中国の怪談(二)
  • 河出文庫、河出書房新社
  • 1987(昭和62)年8月4日