明(みん)の末の話である。中州(ちゅうしゅう)に焦鼎(しょうてい)という書生があって、友達といっしょに汴(べん)の上流(かわかみ)へ往ったが、そのうちに清明(せいめい)の季節となった。その日は家々へ墓参をする日であるから、若い男達はその日を待ちかねていて、外へ出る若い女達を見て歩いた。焦生も友達といっしょに外へ出る若い女を見ながら歩いていたが、人家はずれの広場に人だかりがしているので、何事だろうと