ろうこのかい
老狐の怪

冒頭文

志玄(しげん)という僧があったが、戒行(かいぎょう)の厳しい僧で、法衣も布以外の物は身に著(つ)けない。また旅行しても寺などに宿を借らないで、郭外(こうがい)の林の中に寝た。ある時縫州城(ほうしゅうじょう)の東十里の処へ往って墓場へ寝た。ところで、その晩は昼のような月夜で四辺(あたり)がよく見えた。ふと見ると、木の下に一疋の狐がいて、それが人のするように、傍にある髑髏(どくろ)を頭の上に乗っけて首

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 中国の怪談(一)
  • 河出文庫、河出書房新社
  • 1987(昭和62)年5月6日