たより
たより

冒頭文

いきなり斯うした手紙をさしあげるのを御許し下さいませ。 これを手に御取りなすって、貴方はきっとオヤオヤと御思いなさるでございましょうねえ。 悪口を云い云いあっちこっち泳ぎ廻って居る私を思い出しなさる事でございましょう。 今日の今まで私は今斯うやって貴方へのおたよりを書こうなどとは夢にも思って居りませんでした。 けれども、夕暮にさえなりますと、私の心に夕栄の雲

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 宮本百合子全集 第三十巻
  • 新日本出版社
  • 1986(昭和61)年3月20日