うてき
雨滴

冒頭文

此頃、自然美の讚美され出して来た事は、自然美崇拝の私にとってまことに嬉しく感じる事である。 どうして今まで、ああして、そうもかまわれずに片隅になげた様にされて居たものかしらんと思う。 静かに太陽の健な呼吸を聞き、月の深遠な光明に身をひたして居ると口にまでつくせぬ、複雑な美に打たれるのである。 日々を、心ならずもいやな事、心を悩ます事の多い中で暮して居るのであるから、ど

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 宮本百合子全集 第三十巻
  • 新日本出版社
  • 1986(昭和61)年3月20日