今消したばっかりの蝋燭の香りが高く室に満ちて居る。 其中に座って一人ぽつねんと私は或る一人の友達の事を思って居る。 其の人の名はM子と云う。 年は私とそう違わない。 大柄な背の高い髪の毛の大変良い人だけれ共色の黒いのが欠点だと皆知ってるものが云って居る。 面長な極く古典的な面立がすっかりその性質を表わして居る。 ほんとうのフトした事から交