たんかしゅうさく
短歌習作

冒頭文

涙ぐみてうるむ瞳を足元に  なぐれば小石うち笑みてあり かんしやくを起しゝあとの淋しさに  澄む大空をツク〴〵と見る ものたらぬ頬を舌にてふくらませ  瓦ころがる抜け歯の音きく うすらさむき秋の暮方なげやりに  氷をかめば悲の湧く 角砂糖のくずるゝ音をそときけば  若き心はうす笑する 首人形遠き京なるおもちや屋の  店より我にとつぎ出しかな はにかみてうす笑する我よめは

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 宮本百合子全集 第三十巻
  • 新日本出版社
  • 1986(昭和61)年3月20日