おなじむすめでも
同じ娘でも

冒頭文

「御隠居様よ、又お清が来ましたぞえ何なりと買ってやりなんしょ」と頬を赤くして火を吹いて居(ママ)下女の正は台所から声をかけた。「そうかえ」と云いながら茶の間から出ていらっしゃったお祖母様は、玉の大きいがんこな目がねを片(ママ)ににぎったまま中の [#「 」は欠字]に行らっしゃる。私も何かと思ってそっと後からついて行って肩越にのぞくと年は私と同じぐらい、うすよごれた袷を着て去年の盆にかってもらったら

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 宮本百合子全集 第三十巻
  • 新日本出版社
  • 1986(昭和61)年3月20日