こころからおくるはくしゅ
心から送る拍手

冒頭文

六十八歳になられた作家森田草平氏が入党されたということは、多くの人にいろいろと語りかけるいみを持っています。人間は理性のある限り、年齢にかかわらず正しいと思う生活に前進するものであるという愉快な一つの例でもあります。早く老いこむ半封建的なまた個人主義的なこれまでの文士気質を一しゅうするものであります。 作家森田草平が平塚らいてうとの恋愛事件をとりあつかった「煤煙」という小説をかいたのは明

文字遣い

新字新仮名

初出

「アカハタ」1948(昭和23)年5月9日

底本

  • 宮本百合子全集 第三十巻
  • 新日本出版社
  • 1986(昭和61)年3月20日