とうほうそうぎについて
東宝争議について

冒頭文

一般文化の問題として多くの人が注目している。かつては戦争のために押殺された文化が、今は金もうけのために独創性を発揮出来なくなっている。一九三〇年以来赤をやっつけることは一般の事になっているが、それはほんの一部のものにすぎないようだけれど、進歩的な分子をオミットすることであの戦争だってみちびき出されて来た。だから赤でも黒でもない普通の広い幅の中に、我々は進歩性を強く護っていくことで道幅を広くしなけれ

文字遣い

新字新仮名

初出

「婦人民主新聞」1948(昭和23)年4月29日

底本

  • 宮本百合子全集 第三十巻
  • 新日本出版社
  • 1986(昭和61)年3月20日