いきるためのれんあい
生きるための恋愛

冒頭文

こういう質問が出ることはわたしたちに深く考えさせるものがあります。ブルジョア雑誌は毎号かかさないように新しい時代の幸福とか恋愛とか結婚の問題をとりあげて沢山のページをさいています。『アカハタ』にはぬやま・ひろしの「大うけだった恋愛談義」という見出で記事がのりました。それらの恋愛論はそして結婚論は今日こういう問が出てくることに対してどういう責任を負うのでしょう。幸福というものはできあい品となってヤミ

文字遣い

新字新仮名

初出

「アカハタ」1947(昭和22)年7月7日

底本

  • 宮本百合子全集 第三十巻
  • 新日本出版社
  • 1986(昭和61)年3月20日